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乾癬(かんせん)

乾癬 保険診療 初診は約1,500円前後
再診は約1,000円前後

乾癬は比較的よく目にする皮膚病の一種ですが、あまり一般的には知られていません。
また、皮膚病には古来より俗称で親しまれているものが多いのですが、この病気には適当な名前が付けられていません。
その理由は恐らく乾癬が、日本人には比較的少ない疾患であるためと思われます。
あまり知られていない疾患なだけに、診断や治療法など正しい知識を持っている人は多くないのです。
皮膚科専門医を受診し、適切な治療方針の決定が大事です。

乾癬とは?

全身の色々な場所にの皮膚が赤く盛り上がり、乾燥した皮膚が厚く付着してボロボロと剥がれ落ちる皮膚の病気です。
症状には個人差があり、強い痒みがおこる方も入れば、全く痒みが出ない方もいます。
乾癬を起こす原因は明らかではありませんが、免疫に異常を起こしやすい体質の方に、ストレスやケガ、感染症、不規則な生活などの刺激と、 糖尿病や高血圧症、肥満など体内の変化が加わることで乾癬が発症するのではないかと考えられています。

はじめに

先にも述べたように、乾癬は人種により差があり、日本人には少なく白色人種系に多い疾患です。
これは遺伝的素因の影響が関係している為だといわれています。

日本では戦後に増加した病気であり、現在日本人で乾癬にかかる人の割合は約0.01%です。
この為日本では比較的認知度の低い病気とされています。
しかしながら、日本乾癬学会の乾癬登録患者の年次推移を見てみますと、その数は年々増加傾向にあります。
男女比で表すと、男性がやや多いとされ、年齢では30~40代での発症が多いとされています。
また女性では10代と50~60代の二峰性の発症が多いともいわれています。
一方では、乳幼児のおむつ部から発症する例も見受けられます。

乾癬は人から人へ伝染することは無く、命を脅かすような病気ではありません。
しかしながら、認知度が低い疾患なだけに伝染病だと勘違いされたり、症状が目に見える形ではっきり皮膚に現れるなどの理由で、 精神的に不安を抱えている人が多いのが実情です。

病因・誘因

はっきりとした原因はまだ分かっていませんが、乾癬になりやすい遺伝的素因があるといわれています。
但し、素因を持っている人でも発症しない人も多くいるのも事実です。
一般的には白色人種系に多く、ゲノムワイド連鎖解析では、HLA class I近傍のほか、 6番染色体上のPSORS1,17番染色体上のPSORS2をはじめとする複数の遺伝子座が、候補遺伝子領域としても報告されています。
血液検査上、ヘルパーT細胞(白血球の一種)の増加や、TH1の亢進などがいわれていて、 これらがどのように乾癬の原因として関係しているのか、現在研究されています。

また、免疫の機能に影響を与える環境因子が加わることでも発症します。
例えば、細菌及びウイルス感染やストレス、肥満や薬剤などが挙げられます。
気候の変化や高脂肪摂取など生活環境で増悪する事例も少なくありません。
元々の体質的な素因に精神的、肉体的なストレスや紫外線不足、西洋系の食生活などが関係して発病している可能性も考えられ、 原因解明のための研究が日々されていますが、未だ明確になっていないのが現状です。


(クリックで拡大します)

メカニズム

皮膚が赤く盛り上がり、その上に乾燥した白い角質が厚く付き、それらが大量に剥がれ落ちる皮膚疾患が乾癬です。

関与する因子

  • 炎症性サイトカイン
  • 細胞接着分子
  • 白血球遊走因子(補体、サイトカイン、アラキドン酸代謝物など)
  • 増殖因子

分類と症状

  • 尋常性乾癬(局面上の皮疹が特に肘、膝、頭、臀部などの外からの刺激を受けやすい部位に生じます。
    乾癬では最も患者数が多く90%が尋常性乾癬だと言われています)
  • 関節症性乾癬(乾癬の皮疹に手指や足、背骨などの関節の炎症を伴うもの)
  • 膿疱性乾癬(潮紅した皮膚の表面に膿疱が見られ、発熱などの全身症状があるもの)
  • 滴状乾癬(喉などに感染を起こし、発熱した後、しずく状の小さな乾癬の皮疹が出るもの)

典型的と言われる症状は、紅斑とその上に白色の鱗屑を伴う皮疹の出現です。
病変部は周りの皮膚より少し盛り上がった状態へと移行し、大きな紅斑局面を形成します。
俗に言うハム様皮疹を形容し、使われることもあります。
頭皮、膝、肘など外部からの刺激が強い部分に出来やすいですが、眼球と口唇以外なら全身どこにでも皮疹は出現します。
爪の表面に発症した場合は変形して凹凸や穿孔ができたり、荒れてしまうなど、爪きりすら困難になることもあります。
これは爪乾癬と呼ばれます。

乾癬は他の皮膚疾患と比べて、強く皮疹がでるわりには痒みが少ないことが多いとされています。
一方で、症状の度合や病変部位、使用する薬剤の刺激などによって非常に多様性のある病態を形成します。

くっきりとした紅斑があちこちに無数にできることもあります。
肘や膝などの当たる場所が多いですが、頭部、脇の下、下肢なども多いです。
紅斑の数や出かたは人によって大きく異なります。
注目すべき症状としては、紅斑に付着した多量の鱗屑が挙げられます。
これは他の皮膚病と識別するための最も有力な症状だといえます。
無理にこの頭垢を剥がすと、出血します。
これをアウシュピッツ現象といいます。
また爪などで掻きむしったりしてしまうことで、その形の新しい斑点が出来てしまいます。
これをケブネル現象と言い、注意が必要です。
なぜ鱗屑が大量に発生してしまうのでしょうか。
原因は皮膚のターンオーバーの異常が関係しています。
ターンオーバーはシミのページでも触れましたが、表皮の一番下の基底層にある表皮細胞が分裂して徐々に押し上げられて、 最後には角質に変化して剥れ落ちます。
約4~6週間かけて基底層から角質層まで押し上げられます。
更に角質層は約2週間で脱落します。
つまり、新しく生まれた基底細胞が成長して最終的に角質層から脱落するのに50~60日かかるのです。
このターンオーバーが約10倍になるのが乾癬なのです。
あまりに速く角質ができ、それらが不完全であるため、大量の鱗屑が発生するのです。

治療

一般的には、副腎皮質ステロイド外用剤やビタミンD3誘導体外用剤(ドボネックス軟膏、ボンアルファハイローション等)などが有効です。
また皮膚の乾燥を防止するために、保湿剤が併用されることも多くあります。
以前はゲッケルマン療法と言って、全身にコールタールを外用して日光浴を行うという治療法もありました。
しかし、コールタールの接触性皮膚炎の問題や発癌の危険性が指摘されたため、現在ではほとんど行われなくなりました。
外用薬が奏効しない場合や関節炎を合併した場合は、内服による治療も行っております。
最近では、ビタミンA誘導体(レチノイド)や免疫抑制剤(サイクロスポリン)などの内服療法が、保険適応で処方可能な場合もあります。

乾癬は糖尿病や高血圧などの疾患と同様に、慢性病です。
よって完治させることは非常に難しい病気だといえます。
しかし最近では治療の選択肢も増え、乾癬そのものは完治しなくとも、 患者様一人一人に合った適切な治療を行うことで、日常生活にほとんど支障がないまでに回復させることが可能です。
乾癬の治療は長期間を要するケースが多く、発症部位や経過によって症状に個人差があるため、自分に合った治療を見つけることが大事です。
皮膚科を受診し、専門医に相談することで、きっと患者様に適切な治療法と出会えるはずです。
当院ではいかなるケースでも、患者様一人一人と向き合い、最善の治療をご提供させていただいております。

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